ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2003年6号
ARC
WMS市場の2002年成長率は約5% 価格低下で中小企業への普及が加速

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

JUNE 2003 94 企業向けソフトウエア市場全体が冷え込む中で、 倉庫管理システム(WMS)市場は回復基調に転じ ている。
ARCの調査によると、二〇〇二年のWM S販売額は前年比約五%増を記録した。
e ―フルフィルメントブームの終焉、さらに世界 経済の後退などによって、二〇〇〇年以降、WMS 製品の販売額は下降局面にあった。
二〇〇〇〜二 〇〇一年にかけて、世界のWMS販売額は六%減 少し、とりわけ北米市場では十二%減という大幅な 落ち込みを示した。
それだけにARCでは「成熟し たWMS市場で(二〇〇二年に再び)ダイナミック な動きが見られたのは興味深い」(サプライチェー ンマネジメントサービスディレクターのSteve Banker 氏)としている。
しかし、二〇〇二年に再び上昇に転じたからとい ってWMS市場が今後も高い成長率を維持するとは 限らない。
ARCでは今後五年間、WMS市場は 年率四・五%の成長率で推移すると予測している。
九八年に六億五九〇〇万ドル規模だったWMS 市場は二〇〇二年に七億三七〇〇万ドルにまで拡 大した。
九八〜〇一年の累積年平均成長率は四・ 一%。
ブーム到来直後に高い成長率を確保したこと が期間内の成長率を支える格好となった。
ARCで はこの成長率実績をもとに、前述した通り、今後五 年間でWMS市場が年率四・五%の成長率を確保 すると予測しているが、その数値は企業向けソフト ウエア市場の中では決して高いほうではない。
とはいえWMS市場が安定的な成長率を保ってい ることは、ユーザーにとっていいニュースである。
市 場が成熟すれば、必然的にソフトウエアとサービス の価格は低下していくからだ。
すでにその兆候は見 られ、市場では価格の下落が始まっている。
それに よって、過去に見られないようなユーザーへのWM S導入も進んできた。
もともとWMSは製品配送センター(DC)用の ソリューションという位置付けだった。
しかし最近 ではDC以外にも納入されるようになってきた。
売 り上げ一〇〇〇万ドル超のWMSサプライヤーの納 WMS市場の2002年成長率は約5% 価格低下で中小企業への普及が加速 このコーナーでは米国の大手調査会社、 ARCアドバイザリーグループの市場調 査報告書を紹介する。
今回は倉庫管理 システム(WMS)市場の今後五年間の 動向に関するレポートを取り上げる。
95 JUNE 2003 入実績を見ると、「DC向け七〇%」、「工場関係の 倉庫向け一五%」、「カスタマーサービス倉庫向け 八%」、「集配混合センター向け四%」、「集荷中継セ ンター向け三%」という内訳になっている。
DC向 けの比率は徐々に低くなりつつあるという。
WMSの納入先はこれまで売上高二億五〇〇〇 万ドル以下の、いわゆる「ティア3」と呼ばれる中 小企業が中心だった。
しかもその大半は売上高一億 ドル以上の企業だった(上場倉庫会社を除く)。
し かし最近ではさらにその下の「ティア4」への普及 も期待されるようになった。
従来よりもシンプルな ソリューションが提供されるようになり、付加価値 再販業者(VAR=市販のパッケージソフトにユー ザーが希望する機能を追加して再販するシステム会 社)による導入が容易になってきたことがその背景 にある。
WMSソフトウエア&サービス販売額予測 (単位:百万ドル) 1,200 1,000 800 600 400 200 0 772.4 2002 2003 2004 2005 2006 2007 797.5 831.4 869.9 911.2 961.6 2003 ARC Advisory Group 製造におけるリアルタイムパフォーマンス管理(RPM) 〜オペレーショナルエクセレンスを求めて〜 セッション1 「リアルタイム企業パフォーマンス管理戦略」 ―Dick Hill Vice President, ARC 「RPMの最新動向」 ―Lucien Jones Vice President, Pavilion「RPMの事例とソリューション」 ―大原一益 トヨタ自動車BR内製原価マネジメント室室長 「自動車工場のコスト管理事例」 ―西阪啓一 オムロンIAB企画室業務改革推進部部長 「グローバルSCM革新の事例」 セッション2 「RPMにむけたプラントフロア戦略」 ―Dick Hill Vice President, ARC 「今後のプラントシステムアーキテクチャ」 ―Michael Saucier VP of Marketing, OSIsoft 「RPM事例とソリューション」 ―渡部裕二 三菱電機 開発部e-F@ctory技術企画Gr. Mger.  「プラントフロア可視化戦略と事例」 ―富士石油 「プロセス産業のRPM事例」 ―辻 弘毅 横河電機 システム事業部IAソリューションセンター長 「RPMソリューション」 参加費用:6月15日以前にご登録の場合は6万円。
それ以降は7万円 参加登録およびお問い合わせ先:ARCジャパン 電話番号 042(991)1685 プログラム内容  第5回目となる本フォーラムでは、内外の業界リーダーがRPM(Real-time Performance Management:実時間パフォーマンス管理)の導入について自社の経験を紹介し、今後に ついて議論します。
是非、ご参加ください。
ARC Advisory Group主催 第5回 ARC Forum 2003, Japan

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