ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2013年8号
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日本の物流をアジアに売り込め政府が二〇一七年までの施策大綱を閣議決定

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

AUGUST 2013  86  政府は六月二五日、二〇一三〜一 七年の五年間に推進する物流政策の指 針となる「総合物流施策大綱」を閣 議決定した。
海外進出している日系企 業の競争力を高めるため、日本の高品 質な物流システムの国際展開を支援す る姿勢を明示。
閣僚の海外訪問などを 通じ、アジア各国に政府レベルで物流 システムの導入を売り込む方針を打ち 出した。
 一九九七年に初めて大綱を策定して 以降、四年ごとに内容を全面的に刷新 しており、今回が四度目。
物流分野 を所管する国土交通省、経済政策を担 当する経済産業省が中心となり、具体 的な施策や目標を盛り込んだ工程表を  日本梱包運輸倉庫は七月一〇日、埼 玉県比企郡小川町に小川営業所を開設 した。
同社にとって国内で七七カ所目、 埼玉県内で七カ所目の拠点。
ホンダの寄 居工場と小川工場の至近地にあり、ま ずは自動車関連業務を扱いながら他業 種も取り込んでいく。
 完成した施設は一期工事分で、約十 一万平米の敷地内に保管面積九九〇〇 平米の二層式倉庫を新設した。
海上コ ンテナを処理するドックレベラーと貨物 用のエレベーターを四基ずつ備えてい る。
来年一月には二期工事に着手する 予定で、八月の完成をめどに同サイズ の倉庫をもう一棟建設する。
 新設した倉庫には多くのこだわりが ある。
まず日本では珍しい工法を採用 することで、二階部分に柱のない空間 を確保した。
これは施設の建築・設計 を担当した川田工業が「システム建築」 と呼んでいる工法で、米国の工場や倉 庫では主流の建築手法。
二階に柱がな いために施設全体を軽量化でき、コス ト・パフォーマンスが高まるという。
 環境面にも配慮している。
日梱の営 業所として 初めて屋根 に太陽光パ ネルを敷き 詰めた。
パ ネルは全二 近くまとめる。
 今回の大綱はサプライチェーンのグ ローバル化を受けた物流システムのア ジア展開促進と国内の物流インフラ整 備・有効活用、東日本大震災を踏ま えた物流面の防災対策強化に軸足を置 いたのが特徴だ。
 国際関係では、日本の事業者によ るRORO船(貨物専用フェリー)な どのアジア海上輸送網構築や高性能の 物流拠点施設の海外展開への支援と いった方策を明示。
防災面では、道路 や航路を早急に復旧する計画の事前準 備、緊急輸送道路の耐震化などを盛り 込んだ。
 コスト低減など物流業者の負担が過 剰になるのを解消するため、運賃や支 払い期日などを記した運送契約の書面 化を推進する方針を強調した。
 国交省は、ミャンマーと陸上輸送分 野での協力覚書を結ぶなど、物流シ ステムやインフラの海外進出支援を拡 充。
物流審議官ポストを新設するなど 体制面でも物流への取り組みを強化し ている。
 大綱の決定でこうした流れをさらに 加速させる構えだ。
同省は各省庁と 連携しながら実効性ある政策立案に加 え、各取り組みの成果を検証して結果 を公表し、迅速に軌道修正できる仕組 みの確立が求められる。
   (藤原) 七五〇枚で発電 能力は四四〇キ ロワット。
フルに 発電できれば年 間二〇〇〇万円 の売電収入につ ながる。
二期棟 にも同規模の太 陽光パネルを設 置する計画だ。
 また庫内の照 明として一階部分に無電極照明を採用 した。
明るさは水銀灯とほぼ同じで、二 酸化炭素の排出量は約八〇%少ない。
寿命は約六万時間とLED照明より長 い。
二階には全体を均一に照らすこと で作業をやりやすくするという観点か らLEDを採用している。
 今年は日梱にとって創業六〇周年の 節目の年に当たる。
小川営業所の開所 披露宴には、同社の東日本の取引先や 地元関係者など一〇〇人以上も参列し て盛大に催された。
挨拶に立った日梱 の黒岩正勝社長は、取引先への感謝の 言葉に続けて、「当社は『物流サービ スを通じて地域社会に貢献する』とい う創業者の理念に基づいてやってきた。
小川町の一員となって、この地域に貢 献できることを大変嬉しく思っている。
これから小川営業所を盛り上げていき たい」と意気込みを述べた。
(岡山) 日本の物流をアジアに売り込め 政府が二〇一七年までの施策大綱を閣議決定 日本梱包運輸倉庫が埼玉県小川町に新拠点を開設 ホンダの寄居工場に関連する業務を中心に展開 総合物流施策大綱の骨子 ●アジア各国との政策対話で物流システム採用働き掛け ●NEAL-NET(北東アジア物流情報サービスネットワーク) の展開 ●船舶大型化に対応した港湾機能強化 ●港湾のコンテナターミナル周辺の渋滞対策 ●運送契約の書面化、輸送コストの明確化 ●道路、港湾等の地震・津波対策推進 ●道路・航路の応急復旧計画等の事前準備 ●目標達成に向けた工程表作成 ●毎年度、PDCA方式で進捗管理 日本梱包運輸倉庫の 黒岩正勝社長

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